MENU

【2026年最新版】風評被害対策のプロが解説!企業が今すぐ知るべき5つの炎上トレンド

「うちの会社は大丈夫だろう」

そう思っていたのに、ある日突然SNSで批判が殺到し、検索結果にネガティブな情報があふれてしまう。そんな事態が、業種や企業規模を問わず、いつ誰にでも起こり得る時代になっています。

2025年は、生成AIを活用した広告への批判、タレント起用を起因とした炎上、顧客対応への不満がSNSで一気に拡散されるなど、企業のデジタルリスクがこれまで以上に多様化した一年でした。そして2026年も、その傾向はさらに加速すると予測されています。

この記事では、風評被害対策の現場経験をもとに、2026年に企業が押さえておくべき5つの炎上トレンドと、それぞれへの具体的な対策をお伝えします。「明日から何か一つでも実践できること」を意識してまとめましたので、ぜひ最後までお読みください。

【この記事の結論】2026年に企業が警戒すべき5大炎上トレンド

  1. 生成AIの炎上
    不自然なAI利用やクリエイター軽視と見なされる活用は、「AIアレルギー」とも言える強い批判を招きます。AI活用の意図を明確にし、人間によるレビュー体制を構築することが不可欠です。
  2. 新SNS経由のバイトテロ
    「BeReal」のような即時性が高いSNSが、新たな従業員リスクの温床になっています。勤務中のスマートフォン利用に関する明確なルール策定と、定期的なリテラシー教育が求められます。
  3. 顧客対応のSNSでの「告発」
    店舗や電話での顧客対応への不満が、SNS上で「告発」として投稿され、炎上するケースが加速しています。現場任せにせず、迅速な情報共有と一貫した公式対応のフローを確立することが重要です。
  4. タレント・インフルエンサー起用の新リスク
    起用した人物の不祥事だけでなく、「起用そのもの」がブランドイメージや社会通念と合わないと判断され、批判の対象となります。起用前のデジタルリスクチェックが、これまで以上に重要です。
  5. グローバル化に伴う炎上
    国内向けのサービスや広告が、海外の価値観から批判を受けるリスクが高まっています。ジェンダー、環境、文化など、国際的な視点での配慮がなければ、思わぬ炎上につながります。
炎上は予防が最重要です。従業員教育とガイドライン整備を今すぐ始めましょう。デジタルタトゥーは長期的なダメージをもたらします。
目次

2026年に企業が直面する炎上リスクの全体像

まずは、最新のデータから2026年の炎上リスクの全体像を把握しておきましょう。

2025年の炎上データから見る3つの変化

デジタルリスクの調査・コンサルティングを手がける株式会社エルテスの調査によると、2025年上期のネット炎上件数は前期比で約1.2%減少しました。一見すると「炎上は減っている」ように見えますが、内訳を見ると状況は楽観できません。

注目すべき変化を3つにまとめます。

  • サービス企業の炎上が全体の54%以上を占めている
    飲食・小売・サービス業など、消費者との接点が多い業種での炎上が突出しています
  • エンタープライズ企業の炎上リスクが高い
    売上高100億円以上の大手企業が炎上対象の半数以上を占めており、知名度が高いほどリスクにさらされやすい状況です
  • 「不適切発言・行為」による炎上が36%に増加
    前期の25%から大幅に増えており、ジェンダーに関する表現や、女性への配慮を欠いた発信が問題視されるケースが目立ちました

私自身、ブランドセキュリティ部門にいた頃から「大手企業ほど検索結果への影響が大きく、一度ネガティブな情報が上位表示されると回復に時間がかかる」ことを実感してきました。企業規模に関わらず、「自社は大丈夫」という意識が最も危険だと言えます。

なぜ2026年は「炎上の質」が変わるのか

これらのデータから言えるのは、2026年のリスクは、もはや炎上の「件数」だけでは測れないということです。むしろ、一度の炎上がもたらす影響の大きさ、すなわち「炎上の質」の変化にこそ注意を払うべきです。エルテスが2026年の予測として挙げる「静観対応の失敗による炎上の長期化」という傾向は、まさにこの質の変化を象徴しています。

また、X(旧Twitter)だけでなく、新たに登場したBeRealやInstagramのストーリーズなど、SNSプラットフォームの多様化は、情報の拡散経路をより複雑にしています。

ブランドセキュリティの観点から最も恐ろしいのは、一度拡散したネガティブな情報がデジタルタトゥーとして検索結果に残り続けてしまうことです。これは、企業の採用活動や営業活動に、長期間にわたって深刻なダメージを与えかねません。

2025年のデータが示す通り、炎上リスクは多様化しています。企業規模に関わらず、今すぐリスク管理体制の見直しを。

【トレンド1】生成AI活用が引き起こす新型炎上——「AIアレルギー」時代の企業リスク

AI関連炎上に見る「炎上する企業」と「しない企業」の境界線

2025年から2026年にかけて、生成AIを活用した企業の広告やコンテンツに対する批判が相次いでいます。しかし、すべてのAI活用が炎上するわけではありません。「炎上する企業」と「受容される企業」の間には、明確な境界線があります。

たとえば、文具メーカーがイベント用ポスターに生成AIを使用した疑惑が浮上して謝罪に追い込まれたケースや、大手ファストフードチェーンのAI広告が「不気味だ」と批判を浴びて取り下げになったケースがありました。一方で、2026年元日に公開されたある栄養ドリンクのAI活用CMは、大きな炎上には至っていません。

関連: 「なんか違和感…」嫌われるAI広告、「リポビタンD」新CMはギリOK…?炎上の境界線は

この違いはどこにあるのでしょうか。ポイントは「AIの品質」ではなく、企業のブランドとAI活用の整合性にあります。

  • 炎上しやすいパターン
    不自然な出力をそのまま採用している、クリエイターを大切にすべき企業がAIで代替している、チェック体制の甘さが透けて見える
  • 受容されやすいパターン
    AI活用の意図が明確で、クリエイティブの品質が一定水準以上、企業のブランドストーリーとAI活用が矛盾していない

検索結果の監視を行ってきた経験から言えるのは、AI関連の炎上は「企業名+AI+炎上」というサジェストワードが長期間残りやすい傾向があるということ。一度定着すると、そのネガティブなイメージの払拭には相当な時間と労力がかかります。

企業が今すぐ整備すべきAI活用ガイドライン

生成AIの炎上リスクを回避するために、以下のステップで社内ガイドラインを整備することをおすすめします。

1. 自社のAI活用方針を明文化する

「どのような場面でAIを活用し、どのような場面では使わないか」を明確に決めましょう。

2. 人の目によるレビューを必ず実施する

AIが生成したコンテンツは、必ず人間がチェックしてから公開するルールを徹底します。

3. 公開前にブランドとの整合性を確認する

「この使い方は自社のブランドイメージに合っているか?」という視点で最終確認を行いましょう。

なお、総務省と経済産業省が策定したAI事業者ガイドライン(2025年3月に第1.1版を公開)では、AI開発者・提供者・利用者それぞれが取り組むべき指針が示されています。社内ルール策定の参考にしてみてください。

まずは完成度7割で公開し、運用しながら改善していくという現実的なアプローチがおすすめです。

【トレンド2】BeRealが火種に?新SNS経由のバイトテロと従業員リスク

BeReal発の炎上パターンとその拡散メカニズム

2025年下半期、新しいタイプのバイトテロが相次ぎました。その火種となっているのが、SNSアプリ「BeReal」です。

BeRealには「1日1回ランダムな時間に通知が届き、2分以内にその場の写真を投稿する」という独自のルールがあります。この仕組みが、勤務中のアルバイト従業員による不適切な投稿を誘発しているわけです。

大手コーヒーチェーンや回転寿司チェーンなどで、BeRealで撮影された動画がX(旧Twitter)に転載されて拡散し、大きな炎上に発展する事例が複数報告されています。

ブランドセキュリティの原則として、「一度拡散された情報は、元の投稿を削除しても拡散を止められない」ということがあります。BeRealのようなクローズドなSNSで撮影された動画が、オープンなSNSで二次拡散されるパターンは、まさにこの原則が当てはまります。

参考: ドトールコーヒーショップにおけるSNS 不適切投稿に関するお詫びと事実関係のお知らせ

従業員向けSNSリテラシー教育の実践ポイント

バイトテロを防ぐためには、ルールの整備と教育の両輪が必要です。

ソーシャルメディアポリシーの策定と周知

「勤務中のSNS投稿禁止」「職場の情報を個人アカウントで発信しない」などのルールを明文化し、全従業員に周知しましょう。

勤務中のスマートフォン撮影ルールの明確化

ロッカーへの保管義務化など、具体的な運用ルールを設けます。

研修は「自分ごと」にする工夫を

一方的な講義形式ではなく、実際の炎上事例を使ったクイズ形式や、炎上がどのように拡散するかを体感できるワークショップ形式が効果的です。

後輩の育成に携わる中で、「教える側が一方的に話す研修は記憶に残りにくい」と実感しています。「もし自分がこの投稿をしたら、どうなるか?」を従業員自身に考えてもらう双方向型の研修を定期的に実施することが大切です。

【トレンド3】顧客対応の不満がSNSで「告発」される時代

「店舗対応→SNS告発→炎上」の連鎖が加速

2025年には、店舗やコールセンターでの顧客対応に対する不満が、InstagramストーリーズやXで「告発」として投稿され、大きな炎上に発展するケースが増えました。

あるアパレルブランドがカスタマーハラスメントへの対応方針を発表したところ、逆に過去の接客態度を問題視する投稿が相次ぎ、炎上してしまった事例もありました。また、顧客の投稿に対して企業側が「事実と異なる」と反論したことで、さらに批判が拡大したケースも見られます。

参考: 「苦情はカスハラ扱い」と批判殺到…人気ブランドの“上から目線”注意が大炎上→謝罪も鎮火せず

2025年4月に東京都カスタマー・ハラスメント防止条例が施行され、北海道や群馬県でも同様の条例がスタートしています。企業には、従業員を守りながらも、顧客対応の品質を維持するという難しいバランスが求められています。

炎上リスクを低減する顧客対応のポイント

トラブルが発生した際に、炎上に発展させないためのポイントをまとめました。

  1. 事実確認を最優先する
    顧客からのクレームを受けたら、まず現場の事実関係を正確に把握しましょう
  2. 社内での情報共有を迅速に行う
    現場の担当者だけで対応を完結させず、管理者や広報部門にも速やかに情報を共有します
  3. 公式対応の一貫性を保つ
    SNS上での個別返信と公式声明で矛盾が生じないよう、対応方針を統一してから発信しましょう
  4. 投稿削除は慎重に判断する
    問題の投稿を安易に削除すると「隠蔽」と受け取られ、炎上が加速するリスクがあります

検索結果にネガティブな口コミや炎上記事が残ると、採用活動や営業活動にも長期的なダメージを及ぼします。日頃から「炎上させない顧客対応」を現場に浸透させることが、最大の予防策です。

【トレンド4】タレント起用・インフルエンサーマーケティングの炎上リスク

「不祥事以外の理由」で炎上する新パターン

従来、タレント起用の炎上リスクといえば「起用タレントの不祥事」が主なものでした。しかし2025年には、タレント個人の問題ではなく、「起用そのもの」が批判を受ける新しいパターンが顕在化しています。

たとえば、未成年のタレントを結婚情報雑誌のモデルに起用したことが「未成年を結婚のイメージに結びつけるのは不適切」と批判を受けた事例や、インフルエンサーを起用したPRキャンペーンで「ステルスマーケティングではないか」と疑問視された事例がありました。

参考: 17歳と25歳の「結婚」を巡って論争に 2025年上期炎上事件簿

さらに、公式アカウントの運用を業務委託していたスタッフがミスをしたことで炎上が拡大したケースでは、委託先の管理体制まで含めた企業の危機管理意識が問われました。

起用前の「デジタルリスクチェック」を忘れずに

タレントやインフルエンサーを起用する前に、以下の確認を行うことをおすすめします。

  • 過去のSNS投稿や発言の確認
    過去の炎上歴や社会的に敏感なテーマへの発言がないかをチェックします。
  • 自社ブランドとの整合性の確認
    「このタレントの起用は、自社が社会からどう見られたいかというイメージと合っているか?」を検討しましょう。
  • 委託先を含めた危機管理体制の構築
    運用を外部に委託する場合は、チェック体制や緊急時の連絡フローも事前に整えておきます。

ブランドセキュリティの観点から言えば、タレントリスクの評価にも「検索結果の定点観測」が有効です。起用候補者の名前で検索し、どのような情報が表示されるかを確認することは、リスク管理の第一歩になります。

【トレンド5】グローバル化がもたらす国内サービスへの炎上リスク

国内サービスが海外から批判を受ける新しいリスク

注目すべきもう一つのキーワードが、「グローバル化に伴う炎上リスク」です。

日本国内向けに提供しているサービスや広告が、海外の価値観や基準から批判を受けるケースが増加すると予測されています。実際に、海外の大手アパレルブランドの広告が国際的な政治問題と結びつけられ、X上で「#Boycott○○」のハッシュタグがトレンド入りし、日本国内にも波及した事例がありました。

参考: ザラ、広告キャンペーン取り下げ ガザの犠牲者ほうふつと批判

ジェンダーに関する表現、環境問題への配慮、文化的感受性など、海外では日本以上にセンシティブに受け止められるテーマがあります。国内市場だけを想定した発信が、思わぬ形で国際的な批判を招くリスクを認識しておく必要があります。

法規制の変化にも目を向けよう

グローバル化に関連して、法規制面での変化にも注意が必要です。

EUの「AI法(AI Act)」は2024年8月に発効しており、EU市場向けにAIを活用したサービスを提供する日本企業にも「域外適用」される可能性があります。また国内でも、AI事業者ガイドラインの改訂(2025年3月に第1.1版公開)や、カスハラ防止条例の全国的な広がりなど、企業の対応が求められる法規制が増えています。

法規制への対応は、風評被害対策と同じで「知らなかった」では済まされません。予防的な情報収集と社内体制の整備が重要です。

炎上が起きてしまったら?初動対応と検索結果の回復方法

炎上発生から72時間の初動対応フロー

万が一炎上が発生してしまった場合、最初の72時間が勝負です。以下の3つの原則を押さえてください。

1. 投稿の削除を急がない

問題の投稿を慌てて削除すると「証拠隠滅」「隠蔽」と見なされ、炎上がさらに拡大するリスクがあります。まずは事実関係の確認を優先しましょう。

2. 関係部署への即時共有と情報の一元管理

広報、法務、該当部門のリーダーに速やかに情報を共有し、対応窓口を一本化します。部署ごとにバラバラの対応をすると、矛盾が生じて信頼を損ないます。

3. 一貫性のある公式対応を行う

謝罪が必要な場合は、何が問題だったのか、今後どう改善するのかを具体的に示します。曖昧な表現や責任回避と受け取られる言い方は避けましょう。

ブランドセキュリティの実務では、「静観が正解な場合」と「迅速対応が必要な場合」があります。批判の論調をしっかり見極めた上で、対応方針を判断することが大切です。

ブランドSEOで検索結果を回復する

炎上が落ち着いた後も、検索結果にネガティブな情報が残り続けるケースがあります。「企業名+炎上」「企業名+パワハラ」といったネガティブなサジェストが表示され続けると、採用活動や営業活動に長期的な影響を及ぼします。

こうした場合に有効なのが、ブランドSEOという手法です。企業にとってポジティブなコンテンツを適切に配置し、検索結果をクリーンな状態に改善していく取り組みです。

私がブランドセキュリティ部門にいた頃に担当した中堅企業の案件では、企業名検索でネガティブ情報が上位に表示されていた状態から、ブランドSEO施策によって検索結果の改善に成功し、採用活動への悪影響も軽減することができました。

ただし、検索結果の改善には専門的なノウハウと一定の期間が必要です。自社での対応が難しい場合は、風評被害対策の専門会社に相談することも有効な選択肢の一つです。

炎上を未然に防ぐ!今すぐ始められる5つの予防チェックリスト

最後に、炎上を未然に防ぐために企業が取り組むべき5つのチェック項目を、実施の優先度別に整理しました。

チェック項目すぐにできること1ヶ月以内3ヶ月以内
①ソーシャルメディアポリシーの策定既存のルールの棚卸しポリシーの策定・見直し全従業員への周知・署名取得
②公式SNSの運用ルール整備投稿前ダブルチェックの開始運用マニュアルの作成定期的な運用レビューの実施
③SNS・Web投稿の常時モニタリング自社名での検索結果の確認監視ツールの選定・導入監視体制の本格運用
④従業員向けSNSリテラシー研修炎上事例の社内共有研修プログラムの企画全従業員向け研修の実施
⑤炎上対応マニュアルの整備緊急連絡網の確認対応マニュアルの作成危機管理シミュレーションの実施

「予防」と「継続的な監視」の重要性は、ブランドセキュリティの実務で何度も実感してきたことです。まずは「すぐにできること」から始めてみてください。一つ一つは小さなことでも、積み重ねが企業ブランドを守る大きな力になります。

まとめ

2026年の炎上トレンドに共通するのは、「企業の危機管理体制そのもの」が問われているという点です。

生成AIの活用方針、従業員のSNSリテラシー、顧客対応の品質、タレント起用のリスク管理、グローバルな視点での配慮——これらすべてにおいて、「予防」と「迅速な初動対応」が求められています。

ブランドセキュリティの現場で4年間、企業の検索結果と評判を守ってきた経験から言えるのは、「一度失われた信頼を取り戻すことは、守ることの何倍もの時間と労力がかかる」ということ。

だからこそ、今日この記事を読んだことをきっかけに、まずは一つでもアクションを起こしていただければ幸いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次